40代直腸がん 治療と療養と生活の記録

42歳で直腸がんの診断 ステージ3a→ 2.5年後再発によりステージ 4へ。生活習慣や食事の見直しでガンを育てない身体作りをし、生まれてくる子供が1人前なるまで見届ける。あと10年生きる!

【保存版】直腸がん 術後排便障害 超実践的対策のまとめ

直腸がんで手術を受けたひとの多くが術後排便障害(便失禁や肛門痛)に「ほぼ例外なく」悩まされます。

個人差は大いにありそうですが、術後約3年経過した今振り返って、どのような経過を経てどのような対策をしているのかまとめたいと思います。なかなかナイーブな話で知り合いには見られたくないですし、検索してもなかなか出てこないTipsです。
たぶん知り合いは誰も見いないと割り切り、参考になればと思いきって書きます。

というわけで、私の直接の知り合いの人は見ないでください!

 

ちなみに私はストーマは行わず、1回の手術で済ませたパターンです。

 

1.術後食事開始~1か月

この期間はとにかく人間ではないというレベルで割り切るしかありません。
排便障害対策というより、「縫合不全」と「腸閉塞」が最大のリスクなので可能性が高いこの時期は徹底してそちらを優先すべきだと思います。
1日に10回~30回が当たり前ですが一時的ですので割り切りましょう。

私は食事開始後1週間ほどで退院しましたが、トイレと常に友達。
変に踏ん張ったり我慢すると縫合不全のリスクがまだ残る時期ですから、来たら垂れ流しのような感じです。間に合えばトイレ。間に合わなければオムツに出す。

なんとなく落ち着く時間帯というのはあるので、その間に散歩などの運動をするといいです。外出もしても良いですがトイレに行けるスーパーとか本屋とかそのレベルで。

 

2.術後1か月~3か月
排便は1日10回程度に安定してきました。
縫合不全のリスクがほぼなくなってくるので多少肛門で止めるなど肛門筋肉の回復を目指す時期になると思います。

抗がん剤をやるとその影響で下痢や便秘がある場合がありますが、そうでなければきちんと気を使えば腸の調子自体はキープできるかと思います。

腸閉塞のリスクはまだありますので、便秘をとにかく避けるように注意を払います。食事には気を使いやすいので水溶性食物繊維や乳酸菌と言ったものはしっかりとる。自律神経を崩さない。運動をかかさないことが何気に重要だと思います。動くと出るというのはかなり関連がありますので。

 ちなみに、私はもともとよく下痢や軟便になるタイプでしたが、術後は逆になくなりました。もちろん頻便ではありますけどね。

 
また、肛門筋を鍛えて行ってください。長期にわたり肛門筋の具合は大きく状況に左右します。トイレまで耐えられるかどうかで大分気持ちも変わるからです。

mildy.hatenablog.com

 

 このあたりでも基本的には1日中オムツで過ごしますが、オススメの方法があります。
・オムツのなかに尿漏れパッドのようなものを仕込みます。
・そのパッドにトイレットペーパーを長方形に畳んで敷きます。ちょうど肛門のあたりに縦と横でクロスさせてください。
こうしておくとチョイ漏れ程度だったらペーパーにチョロっとつくだけなのでトイレに流せます。これを開発してとてもラクになりました。

パッドまで行ってしまうことはありますがほぼオムツまで汚れません。外出時もパッドの替えだけでオムツは不要です。最初のウチは念のため持っておく方がよいですが。

 

3.術後3か月~6か月

排便が5回~10回に安定してきました。このあたりでは会社に行っていましたが、緊張感があるほうが私はよく、5回程度の日がほとんど。たまに多い日がある、という感覚です。ここまで来るのに個人差はあると思いますが私は比較的早いようです。

回数だけでなく時間にも苦労します。1回が5分で済むこともあれば30分くらい出られずダラダラと続くことも少なくありません。トイレで何をするのかはルーチンを持つ方が良いでしょう。

この時期で大きいのは、基本的には我慢が効くという事です。寝てるときはムリですが起きてる時に耐えられず出てしまう事は少なくなってきます。これは腸の調子に左右されるますがだんだん改善していきますので気長な戦いです。

 

この時期から、ムレるのもあり、日中はオムツを外すことに移行します。

最初はパッドのみトランクスにセットして出歩いてましたが、Greatな方法を編み出しました。ずばり「生理用品(ナプキン)」です。

男性にはなかなか難しい発想ですが、嫁が「チョロっとならナプキンでいいんじゃね?」とヒントをくれたのが始まり。ナプキンは圧倒的に薄いのでほとんど厚みを感じません。これは今でも継続しています。これを編み出して最高にラクになりました。

 

方法は上記と同じで、トイレットペーパーを5重くらいに巻いてナプキンよりも大きめに細長い長方形に折って、縦と横で十字にナプキンを包むように巻き込みます。ナプキンは下着側にピタっとつくようにノリがついているのでそのあたりまでペーパーをクルっとやるとナプキンに固定されます。ナプキン裏面はテープがついているので下着に軽く固定されます。
女性はペーパーなしのナプキンのみでもアリなのでしょうが、男性トイレはナプキンを捨てる所がありません。私は我慢し切れずでもチョイ漏れがほとんどなので、95%ペーパーで収まります。これだとトイレにそのまま流せて、またペーパーをセットすればよいので外出時も安心です。

 いくつか試してw オススメは下記です。とにかく薄いのがいいです。

 

 

4.術後6か月~1年

 このあたりではそれほど大きな進歩はないですが、だんだん回数が減るのと失禁が少なくなってきます。それでも調子悪いと出てしまうので油断は禁物です。3日連続などで漏れてしまうと少し暗い気分になりますが、あまり落ち込まず淡々としましょう。下痢にならないようにだけ注意しておけばオナラ勝負も可能になってきます(たまに負けますが)。

大分慣れてきて外出もそれほど億劫ではなくなるようになると思います。それでもトイレに行く回数は普通の人より多いですから、そこは諦めるしかないですけどね。

 

余談ですが、結婚していて家族もいるので理解してもらいやすいという点では私はラクでした。これで独身で彼女を作るというのはなかなかハードルがありますよね・・・
でも人間って母性本能があって身体障害のマイナスって結構同情を買うというか受け入れてもらえますよ。セックスや子供ができないとまでなると現実的な自己実現のハードルになる事はどうしてもありますが、それ以外は自分より他人の方が気にしていないというか気づかないとうか。許容してもらえているることが多いように思います。

 

5.術後1年~

正直、1年経った状態からはほぼ進歩しませんでした。あとは腸の調子次第というところなので労わるようにしてください。

1か月全く漏れなかったりすることもあり、もう大丈夫なんじゃないか?と何度も思いました。しかしやっぱりある日突然チョビっと出たりオナラ勝負で負けたりするのです。なのでナプキンとペーパーは今でも必ずセットしてます、その方が安心だしほとんどストレスになりませんので。(家にいるときは外してもアリです。というかたまに忘れてた、という日があったりはします)

 

あと、定期的な内視鏡検査などをすると下剤を飲むわけですが、この後は毎回しばらく調子が悪くなります。おそらく肛門筋が弱まるのか感覚を失うのか。5年10年経てば違うのかもしれませんが。

 

6.食事や運動について

 上述したように腸の調子を保つことが便失禁を防ぐ大きな要因になります。
抗がん剤などで胃腸障害がある場合は仕方ない部分がありので割り切り、それ以外で気を使いましょう。

<食事>
個人的には
朝食:ヨーグルト(自家製豆乳ケフィア)&ナッツと生野菜
昼食:自由!
夕食:基本自由!だが炭水化物控えめ。プロバイオティックサプリ。
は欠かしません。

偏りを防ぐため週1~2日は変化をつけます。アレルギーになるのを防ぐためです。

また、重要ポイントとして自分の腸に合わないものを見つけましょう。私は辛い物は意外と大丈夫だけど「生ニンニク」がだめです。イタリアンのニンニクはセーフだけど餃子、馬刺し、カツオ、ラーメンのすりおろしニンニクなどはほぼ確実に次の日に痛い目にあいます。

<運動>
便秘は肛門力を消費するのと、翌日以降の下痢(頻便/軟便)を引き起こしやすいです。便秘は運動でかなり解消できます。夕食後30分の軽く汗をかく運動(一般的にはジョギングかな。私はサッカーが趣味なのでボールタッチやリフティングをします)をやるとその後スムースにお通じが来ることが多いです。
健康全般のためにも週1~2の運動をオススメします。

以上、排便障害の超実践的対策でした。

 

 

EX,追記(番外編)
2020/07
まことに残念ながら2年半後に私は腹部リンパ節と肺に転移が発覚してしまいました。リンパ節を手術で除去したのですが、なんと腸にはノータッチのはずなのに術後3か月あたりの調子に戻ってしまいました。とにかくちょっとしか貯められないし、すごく気になるようになりましたし、ちょい漏れも非常に多いです。

まだ術後1か月ですが、おそらく手術期間の絶食で1週間ほど肛門が使われなかったことや腹部の神経に触れた事で痛みが残っているので、感覚が鈍ってしまったのだと思います。開腹手術のため傷が大きく腹筋に力が入れられない事も原因になっていると思います。

 このことからも、肛門筋の鍛え具合や、肛門周辺の神経系をうまくコントロールできるようになるかどうかで大きく違うんだなと改めて認識しました。

また、術後数年経っても漏れが頻繁な方でも、ここから改善することも可能なのではないかと思います。(もちろん肛門括約筋の残存状況にはよると思いますが・・)

[再追記] 2020/10
傷と腹筋力肛門力が戻ってきたのが、手術前の状態にほぼ戻りました。
抗がん剤治療中のため副作用の下痢などがあると漏れやすいですが、腹痛のない日はほぼ漏れません。やはり周辺筋力や神経系は日常生活をできるだけ送る事で回復してくる可能性が高いと思います。あえて外出で緊張感を持つのも回復に近づくと思います。


 

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